雨の日、雪の日など悪天候の日に履いていく男性(メンズ)の紳士靴の選び方をまとめてみました。
注目するポイントは靴底と3種類の製法?です笑。
普段から、スーツやジャケット・スラックススタイルで仕事されているビジネスマン向けに書いていますので、参考になればと思います。
雨の日のメンズ靴を選ぶなら靴底が大事?
まず雨の日(雪などの悪天候でも)に履くなら、大前提として靴底はゴム底のラバーソールです。
理由はレザーソールよりもラバーソールは滑りにくいからです。
写真左がレザーソール・右がラバーソール。
もちろん靴底が牛革で作られたレザーソールでも雨や雪などの悪天候時に履けなくはないですが、靴底が革素材の為、以下のような欠点があります。
- 水が染み込みやすい
- 滑りやすい
靴底がレザーソールでもガシガシ履いている方もいますが、靴の数が多い人なら問題はありません。
靴底がレザーソールの場合、多量に水分を含むと靴底の擦り減りが比較的早くなってしまうという側面があります。特に安い靴になればなるほど、鞣(なめ)しが十分にされていない革を使用していることが多く、靴底の革の消耗が早いのです。
ですので靴の数をそれほど持っていないなら、なるべく靴底がラバーソールの靴を雨用に最低一足でもいいので持っておいたほうがいいですね。
レザーソールでも例外あり?
ただレザーソールと言っても天然の牛革ではなく、いわゆる合皮(ごうひ)や人口皮革(じんこうひかく)と呼ばれるものがあります。
簡単に言うと、靴底をレザーソールに見かけだけ似せたラバーソールです。ほぼ機能はラバーソールと変わりありません。
ですので雨用の革靴を選ぶ基準として、覚えておいたほうがいいですね。見た目は分かりにくいので、購入の際に合皮かどうかを尋ねてみるといいでしょう(合皮や人口皮革は触ると大体柔らかい)。
表革の補足
ちなみに細かく言えば靴底だけでなく、表革(アウトソール)もそれなりに重要です。
↑の記事でも言っていますが、多少カジュアルダウン(カジュアル寄りのスーツやジャケット姿)が許される職場であれば、スエード素材の靴も雨の日の選択肢に入れられます。
特にスムースレザーとの違いとしては、手入れが簡単で、汚れにくい(汚れたとしても目立たない)というのが特徴なので、多少の泥水などかぶってもスエード素材は平気です。
雨の日の靴選ぶポイントは3種類の製法!
ただ靴底の素材だけではなく、どういった製法のラバーソールを選ぶのかも重要です。
大まかに以下の3種類のラバーソールの製法があります。
- セメント製法のラバーソール※ブレイク製法、ステッチダウン製法とも呼ばれる
- マッケイ製法のラバーソール※亜流のブラックラピッド製法もあり
- グッドイヤーウェルテッド製法のラバーソール※略してグッドイヤー
製法による違い
それぞれの製法で違いを表にまとめてみました。
製法(ラバー) | 特徴 | 欠点 | 価格 |
---|---|---|---|
セメント | 履き心地は一番・ほぼ完全防水 | 通気性がなく臭くなりやすい・張替えが出来ない | 安価 |
マッケイ | 通気性は一番・履き心地も軽やか | 構造上もろく・張替えもほぼできない場合がおおい | 中間 |
グッドイヤー | 耐久性は一番・靴底も何度も張替え可能 | 履きはじめが硬い | 高価 |
個人的には、イギリス靴好きなのでグッドイヤーの製法の靴しか私は履きません。ただ金額の兼ね合いで、それぞれのライフスタイルで選ぶ形でいいと思います。
実はそれぞれの具体的な金額の価格帯を言いたいところなのですが、表革(アウトソール)を上質な革を使っている場合などがあると、一番安価なセメント製法でも¥40,000もあったりもし、かなりピンキリです(ほぼ三陽商会さんの三陽山長のドレススニーカーのことを言っています汗、セメント製法なのにうーんちょっと高い)。
3種類以外でのより厳しい悪天候向けの靴の製法
ちなみにセメント・マッケイ・グッドイヤーなどの製法を挙げましたが、雨の日や雪の日向けにより適している製法もあります(特に大した内容ではないので読み飛ばしてください)。
ノルウェイジャン製法という靴の製法です。
名前の通り、北欧のノルウェーで生まれた製法で、雪の多い土地向けの靴の製法です。
MADE IN FRANCE【Paraboot】パラブーツCHAMBORD・シャンボードNOIR(ブラック)z10x
有名なブランドとしてはフランスのパラブーツが有名です。かなりボリュームがあり(実物は引くぐらいのデカさ)、どちらかというとスポーティなカジュアル靴ですね。
製法自体も複雑な製法なので、なかなか大量生産にも向かなく、グッドイヤーよりも高価になります。
何年かの周期で、こういったボリュームのある靴を細身のスーツやジャケット・スラックスに合わせるのが流行ります。似たようなものだと、パラブーツ以外にもチャーチのグラフトンなども有名ですね。
靴の製法の具体的な見分け方はある?
で話が少しずれたので戻すと、うえで色々説明しましたが、セメント・マッケイ・グッドイヤーのラバーソールをどうやって見分けるんだ?という疑問を持つ方もいるかと思います。
そういった方々のために、以下のような2つのステップで見ると、どういった製法かが見極めることが出来ます。
- まずセメントラバーかどうかを見極める
- 次にマッケイラバーかグッドイヤーラバーかを見極める
1.セメントラバーかどうかを見極める
まず靴底に縫い目(出し縫い)があるかないかで、セメントラバーソールかどうかを見極められます。
セメントラバーは他の2種類の手法とは違い、縫わずに接着させています。
ですのでセメントラバーは、マッケイやグッドイヤーのように縫い目は出ません。
2.マッケイラバーかグッドイヤーラバーかを見極める
そして最後に、マッケイかグッドイヤーの製法を見極めるためにインソール(靴の中)を覗き込みます。
- インソールの中に縫い目が見えるのがマッケイ
- インソールの中に縫い目がないのがグッドイヤー
とりあえず簡単に見極める方法はこんな感じです。ただ最終的には、お店の人に聞いたりするのがベストですね。
なぜかというと最近は、グッドイヤー風のデザインで、セメント製法のモノも多いからです。
私自身の経験なのですが、あるブランドの靴で金額的にもデザイン的にもグッドイヤーかなぁと思って買った靴が、がっつりセメントだったことがあります。
なのであくまでも参考程度に見ていただければと思います
ラバーソールのマメ知識(おまけ)
少しラバーソールのマメ知識です。ラバーソールと言っても実は色々種類があります。
専業メーカーや靴メーカーによって様々な種類があるのですが、名前や特徴などを覚えておくと何かの役に立つかもしれません。
- ダイナイトソール(写真左から)
- ビブラムソール
- SGソール
- ヨークソール
イギリス製のゴム底なので少し硬い。英国靴と合う。
イタリア製、ダイナイトと対照的にやわらかい。個人的にすぐ擦り減る気がする。
日本のブランドであるスコッチグレインの雨靴(シャインオアレイン)に使われているソール。2年~3年でデザインや名前も新しく変わる。
スペインのブランドYANKO(ヤンコ)のソール。土踏まずの部分をレザー、足の接地面をラバーソールにしている。ヘビーローテーションだとレザーとラバーの部分がパックリ割れます笑。
まとめ
- 雨の日の靴は靴底は必ずラバーソール
- ラバーソールは主に3種類の製法で作られているため、自分にあったものを選ぶようにする
- それぞれの製法の簡単な見極め方はマスターしましょう
いかがでしたでしょうか?
すこし長い記事になってしまいましたが、参考にしていただければ嬉しいです。